資産運用白書Article

2019.10.05

資産運用の基礎知識

資産運用における、ハイリスク・ハイリターンの投資とは?

資産運用の基礎知識

(概要)資産運用においてハイリスク・ハイリターンの投資をどう考えればよいか。投資をしている人たちの約8割以上が、「ハイリターンが期待できる投資は、高いリスクが伴うことを認識したうえで投資を行っている」といった調査結果があります。
しかし、どういった投資であればリスクをおさえることができるのか、この点についての認識はどうでしょう。今回はこの点についてお話しします。

 

ハイリスク・ハイリターンについて

リターンを期待して投資をしますが、やはり、リスクが気になります。しかし、リターンとリスクは表裏一体の関係、リスクが大きなものほどリターンが大きく(ハイリスク・ハイリターン)、リスクが小さいものほどリターンが小さい(ローリスク・ローリターン)という関係にあります。
日本証券業協会が個人投資家を対象にした調査(「個人投資家の証券投資に関する意識調査」)によると、「平均以上の高いリターンがある投資には、平均以上の高いリスクがあると考えるかどうか」という設問に8割以上の方が「ある」と答えています。ほとんどの個人投資家がハイリスク・ハイリターンについて、十分に認識をしていると言えます。

日本の国が発行する「個人向け国債」は、元本と利息を国が保証しているローリスクな金融商品です。これに対し株式や投資信託は元本の保証はありません。株式投資は、ハイリスク・ハイリターンの金融商品という位置づけになることが多いですが、日本証券業協会の調査では、回答者のうち80.8%が株式、53.0%が投資信託、13.6%が公社債を保有しているとなっています(個人投資家の証券投資に関する意識調査、日本証券業協会2017年参照)。
つまり投資をしている人の多くが、ハイリスク・ハイリターンについてしっかりと認識しつつ投資を行っているわけです。投資を行っている人の多くがリスクの高い投資が中心であり、リスクの低い投資を行っている人の割合はあまり多くないと言えるでしょう。

 

ハイリスク・ハイリターンの投資

ハイリスク・ハイリターンの金融商品の代表例としては株式投資がよくあげられます。株式投資には株価変動リスクあります。株価は企業の業績はもちろん、日本経済の動向や世界各国の景気、政治情勢のほか、さまざまな要因によって株価は変動しますが、それを予測することはとても困難です。
しかし日本ではその株式投資よりもハイリスク・ハイリターンといわれる投資を行っている方も多くいます。それらについて代表的なものを見てみましょう。

(1)FX(外国為替証拠金取引)
FXは外貨投資の一つです。たとえば1ドル=100円の為替レートで1万円投資したとします。その後、1ドル=110円になれば、1万円が1万1,000円になり、1,000円のリターンを得ることができます。投資額が10万円であれば、1万円のリターンになります。
FXがハイリスクであるのは、証拠金(保証金)を担保にし、その何倍かのお金を借りて外国通貨の売買ができる点にあります。これを「レバレッジ」と言いますが、例えば元手は10万円しかなくともその10倍、100万円の売買もできるということです。
思惑通りにいけば大きなリターンになりますが、為替の動きを予測するのは非常に困難です。読み間違えば大きな損失になり、まさにハイリスク・ハイリターンです。

(2)先物取引
先物取引は、将来に前もって決めた価格で売買すると約束する取引です。
例えば、金1グラムあたりの価格が5,000円とします。そして「金1グラム5,000円で1カ月後に100グラム買う」と約束します。
1カ月後、金1グラムあたりの価格が6,000円になったとすれば、金1グラム6,000円×100グラム=60万円ですが、前もって決めた価格で買うことができますから、金1グラム5,000円×100グラム=50万円で買うことができ、差額の10万円が利益になります。
証拠金取引でもFXと同様にレバレッジをかけることができますが、金や原油、穀物などのモノの価格がどう変動するかを当てることは為替レート同様、予測は非常に難しいです

(3)ビットコイン
ビットコインはインターネット上で使うことができる通貨で、仮想通貨、暗号通貨などと呼ばれます。通貨としての機能を持つ電子データです。しかし最近、このビットコインの値動きを利用した投資がしばしば話題になります。
ビットコインは過去に200万円を超える値をつけたことがありますが、2019年初では40万円を割り込んでいる状態です。急騰があり急落があり、ハイリスク・ハイリターンの典型と言えます。

こうした投資は、少額の資金でもうまくいけば大きな利益を得る事ができるため投資初心者でも始める方も多くいらっしゃいますが、損失も大きくなる可能性が高いためおすすめはできません。まずは自分の投資経験・知識にあった投資から始めるようにしましょう。

 

資産運用とリスク

ハイリスク・ハイリターンの金融商品に対しては、どこまでリスクを許容できるか、ご自身の運用資金をしっかり管理したうえで判断する必要があります。
また、投資は特有の行動心理を生みます。先にご紹介した日本証券業協会の調査では「近視眼的行動バイアス」という表現をしていますが、投資によって損失が出た場合、長期的な展望ではなく近視眼的な行動をとってしまうということです。

例えば、わずかな値下がりで株式を売却する、あるいは損失を取り返そうと急いでハイリスク・ハイリターンの株式に買い換えるという行動です。
いずれも長期的な展望を欠いた場合、賢明な行動とは言えません。値下がりした株式は持ち直すかもしれませんし、ハイリターンの株式にはハイリスクがあります。資産運用においては、こうした心理状態もリスクの一つです。

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