資産運用白書Article

2019.10.08

資産運用の基礎知識

資産運用における株式投資の特徴

資産運用の方法

(概要)株式投資は、個人投資家にとって始めやすい資産運用の一つです。ただ、投資信託や外貨預金、外国債券などは銀行でも投資できる金融商品ですが、株式投資は証券会社でしか投資できない金融商品です。今回は株式投資の特徴を見てみましょう。

 

株式投資の特徴

株式や投資信託、外貨預金、外国債券などは元本保証がされておらず、価格変動によって元本割れを起こす可能性がある資産、「リスク性資産」と呼ばれます。しかし、日本の一般家庭の「金融資産残高」を見ると現金・貯金、保険・年金等で81%を占めていますが、次に多いのは株式等10.9%、投資信託4.0%となっています(資金循環の日米欧比較 2018年8月14日日本銀行調査統計局 参照)。この数値が示すように、個人投資家が保有する金融資産の中で株式の割合は、他の金融資産よりも多くなっています。

株式投資には多額の資金が必要というイメージを持つ人も多いと思いますが、実際には小額から株式投資を始めることができます。

例えば「るいとう(株式累積投資)」は、株式を毎月定額で積立てて購入する投資方法です。
株価は1株あたりの価格ですが、売買単位で取引されます。これを単元と言いますが、株価1万円で1単元100株の企業の株を購入する場合、最低100万円の資金が必要ということになります。証券会社により「るいとう」の定義は異なるものの、一般的に投資家は毎月1万円以上の一定の額を出資すればよく、これにより少額の資金から株式投資が可能となります。

また、株式投資を始めたいと考えても、「いったい何を買えばいいのかわからない」「リターンは欲しいがリスクがこわい」ということもあるでしょう。そうした際おすすめしたいのが投資信託です。

投資信託は多くの投資家から資金を集め、その資金を運用のプロであるファンドマネジャーが運用します。そして、運用の成果を投資家に分配するという金融商品です。
株式に対する知識、企業や経済情勢の分析などを運用のプロに任すことができ、また、小額から始めることができます。

 

株式投資のメリットとデメリット

株式投資のメリットは、なんといっても大きなリターンを期待できることです。年間で1株1万円の株が1万500円に値上がりした場合、500円の利益になります。その株を100株保有し売却した場合、「値上がり益」5万円を得ることができます。これを計算すれば5%の利益ということになり、現在の銀行の普通預金の利率と比較すれば大きな数字です。

株式投資には、まだいくつかメリットを挙げることができます。

一つは配当金です。配当金は企業が事業によって利益を得たとき、株主にその利益を還元するものです。配当金の利回りは東証一部上場企業で1.9%ですが、これも銀行の普通預金の利率と比べると大きな数字です【日本経済新聞国内の株式指標(2019年2月6日)参照】。

もう一つは、株主優待です。一定の株数を保有している株主に対する、いわば企業からのプレゼントです。自社製品をはじめ、自社施設や店舗で使える割引券、お米、お肉など企業によってさまざまですが、楽しみもありうれしいものです。

一方、株式投資のデメリットは、はじめにお話ししたように元本の保証がない(=リスクがある)ということです。

株価1万円で1単元100株を購入したとします。投資資金は100万円ですが、株価が9000円に値下がりすれば、価値は90万円ということになります。経営難で企業が倒産ということになれば、その企業の株はまったく価値がなくなってしまうことも考えられます。

また、株式投資のリスクとして精神的な負担を挙げることもできます。「株価が気になってしょうがない」という心理状態に陥るケースがあるのです。そのため、仕事が手につかないということになっては大変です。

 

株式投資のポイント

株式投資に限らず、資産運用は長期的な展望を持つことが大切です。株価の変動は気になるところですが、ちょっとした値下がりで「これは大変。すぐ売ってしまおう。損失分を取り戻すためリターンの大きい株に買い換えよう」と、慌ててしまうと失敗を招く可能性があります。

ある調査では、こうした心理状態を「近視眼的行動バイアス」と表現をしていますが、年代が上がるにつれ、このバイアスが強くなる傾向があるそうです【行動経済学の金融教育への応用の重要性(平成24 年3 月金融広報中央委員会)参照】。

また、株式投資には「損切り」という言葉があります。損失を生んでいる株式を売却して、損失を確定させることを言います。ロスカット、ストップロスとも言いますが、購入した株価が下落し回復が見込めないと判断できるケースでは「損切り」を決断することが大切です。株価がさらに下落すれば、損失が膨らむばかりだからです。

そして、資産運用において大切なのが「リスクの分散」です。株式投資であれば、資金を1つの銘柄に集中させるのではなく、複数に分けて投資するということです。

一社のみに投資し、その会社が業績悪化等で株価が下落した場合、大きな損失を出すことになってしまいます。同業でも数社に分散する、また業種を分けて分散する、あるいは国内の企業だけではなく海外の企業も視野に入れるなど、リスク分散を図ることが大切です。

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