2019.09.09
投資信託を活用しよう
投資信託は『買うタイミング』よりも『早く買うこと』!
投資信託は『買うタイミング』よりも『早く買うこと』!
(概要)投資信託を買う際には「タイミング」があるのでしょうか。あるとすれば、どのような「時」なのでしょう。1度に大きな資金を投資するのではなく購入時期を分散させて投資する方法や、「ドル・コスト平均法」と呼ばれる方法で、価格変動がある金融商品を定期的に一定の金額ずつ購入(投資)する方法があります。詳しく見ていきましょう。
二つの「時」
投資によって利益を上げるには、投資家の誰もが考えるように「安い時に買って、高い時に売る」ということになります。この場合の「時」はタイミングです。
しかし、このタイミングをつかむ、あるいは、予測するということは至難の業です。その至難の業を習得したという「株式投資のスゴ腕プロ」とか「株の天才」と自称する方々も少なくありません。そして、その人たちの評判を信じる方がいる一方、疑わしさを感じる方もいらっしゃいます。
さて、その「疑わしさ」を感じる方の根拠は何でしょう。一つは「たしかに今現在は成功しているかもしれないけれど、いつまでその成功が続くんだろう?」ということでしょう。ここにも「時」がありますね。成功している「今現在」という「時」と、その成功が続くのは「いつまでか」かという「時」です。
このふたつの「時」を比較すると、一つは「今現在」と時をポイントで捉えている、もう一つは「いつまで」と時を長いスパンで考えていると言えそうです。
そして、投資信託の場合、長いスパンで考えたほうがよい金融商品と言えるでしょう。株式投資のように株価の変動ポイントを明確に当てようとする投資方法には、なじまないところがあるからです。
長期投資と短期投資
もちろん投資信託の基準価額は変動します。それゆえ、株式投資と同じように「安い時に買って高い時に売る」のが投資信託で利益を上げる基本になります。
ただ、投資信託は一つの銘柄に集中して投資しないぶん株式よりリスクが少ないという面があります。リスク分散が図られているということです。そのうえで、基本的に長期投資を前提にコツコツと資産を積み立てていくことが合った金融商品なのです。
ただ、リスクの分散が図られているということは、リスクがないということではありません。「投資はリスクを買うもの」という言葉がありますが、これは投資信託にもあてはまります。
問題は「そのリスクをどう抑えるか」ということになりますが、一つの銘柄に集中しないというリスク分散のほかに、「時間を味方にする」という考え方があります。
「時間を味方にする」とは、ひとつは1度に大きな資金を投資するのではなく、購入時期を分散させて投資するということです。1度に投資した場合と比べると、分散して投資したほうが値下がりによる損失を抑えられるということです。
「ドル・コスト平均法」と呼ばれる方法があります。価格変動がある金融商品を定期的に一定の金額ずつ購入(投資)する方法です。
簡単な数字をあげてみれば、毎月2万円ずつ積立投資をするとした場合、株価が1株1万円の時には2株購入することになり、翌月5000円に下がっている時は4株購入、その翌月2万円に上がっている時は1株購入するということです。価格が高いときには少なく、価格が安いときには多く買い付けることになります。
「ドル・コスト平均法」はその結果、毎月一定量を買う方法よりも、結果的に平均単価を引き下げられるという仕組みで、長期投資に有効な方法として知られています。
また、短い期間で売買を行う短期投資は難しいという指摘もあります。つまり、「買い」のタイミングだけではなく「売り」のタイミングも間違いなく捉えなければ成功しないからです。「買い」のタイミングを当てるのさえ難しいのに、「売り」のタイミングも当てる、二つのタイミングを当てるのは困難という指摘です。
長期投資の場合、早く買う!
さて、投資信託を長期的に考えた場合には「早く買ったほうがよい」と言うことができます。理由の大きなものは、複利によるメリットです。
元本のみに利息がつくものを単利と言いますね。そして「複利」は、「元本とその元本についた利息の両方に、新たな利息がつく」ことです。
投資信託では運用成果によって分配金が出ます。分配金の受け取り方法には、現金で受け取る「分配金受取コース」と、ファンドから払い出された分配金で再び同じファンドを買付ける「分配金再投資コース」があります。
この再投資を行った場合、同じファンドの口数=投資元本が増えることになります。そして、次の決算ではその増えた口数に対して分配金つくことになり、複利によるメリットを得ることになります。そして、複利によるメリットは期間が長いほうが大きくなりますから、投資信託を長期的に考えた場合には「早く買ったほうが良い」ということになるわけです。
「では、早く買ったほうが良いのは分かるけれど、何を買えばいいのか?」
これは難しい質問です。ただ、基準価額が下がり続けている投資信託は買わないこと、ということは言えるでしょう。基準価額が下がり続けているということは、その背景に運用に際してのさまざまな問題が考えられるからです。