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2019.09.14

投資信託を活用しよう

コストの高いファンドラップはおススメできない!

コストの高いファンドラップはおススメできない!

(概要)資産運用の知識がなく、勉強する時間もない人でもプロに運用管理を一任できる人気の資産運用方法、ファンドラップが人気です。しかしこのファンドラップ、十分注意しないと大きなリスクがあります。今回はファンドラップを活用する際の注意点についてご説明します。

 

金融機関がおススメする理由

これから資産運用を始めようという人にとって、さまざまな運用方法の中からどれを選択するかは非常に重要な問題です。しかし運用に対する知識があまりない、勉強しようにも時間がないとなれば、どうすればよいかわからず二の足を踏んでしまっているケースも少なくないでしょう。

最近、そうした人に向けた資産運用法としてファンドラップが人気です。

自分の資産をプロに預けて運用してもらうという点では、投資信託でも可能です。ではなぜ今、ファンドラップが人気となっているのでしょう。その理由として、投資信託のように多くの投資家から集めた資産をまとめて運用するのに対し、ファンドラップは投資した個人の資産のみをプロの手によって運用管理してくれる点が挙げられます。

そのため運用途中での変更や修正も臨機応変にできるということも、ファンドラップが人気の理由のひとつです。

しかし、ファンドラップが人気がある理由は投資する側だけではありません。金融機関にとってもファンドラップをおすすめする理由があります。それは投資信託の運用に関して、監督官庁の目が厳しくなっているという点です。

投資信託は売買をするたびに販売手数料がかかります。ここ数年、金融機関はこの手数料を稼ぐことが目的となっていて、顧客の資産を効果的に運用して、利益を生むことがないがしろにされているのでは、という批判が増えています。

実際、2017年5月10日、金融庁の森信親長官(当時)は、ある講演の中で投資信託を販売する金融機関について「手数料稼ぎが目的になっていて、顧客不在の経営をしているのではないか」と厳しく批判しています。

そこで金融機関は、何度商品を入れ替えても、新たに販売手数料がかかることはないものの、一定の手数料を確保できるファンドラップをすすめるようになっているのです。

 

金融機関はリスク判断できない

投資する側、運用管理する側、双方にとってメリットのあるということで人気となっているファンドラップ。しかし投資する側にとって、ファンドラップはメリットばかりではありません。

投資に対する知識がなくてもプロが運用管理してくれるということで、任せっきりにしてしまい、ファンドラップのリスクを正しく理解していないと、大きな損失を被ってしまう可能性もあります。

先述したように、ファンドラップは多くの投資家から集めた資産ではなく、投資した個人の資産についてのみ運用管理するため、その人にあった細かい投資が可能になります。しかし当然ながら、資産運用のプロとはいえ、投資家のすべてを知っているわけではありません。

投資家の事情、家計の事情は投資家本人しか知りえませんし、それをプロとはいえすべて話し、託してしまうことは、リスクが大きすぎます。

自身のすべての事情を知らないとなれば、どんなに面談で話し合ったとしても、投資家に最適な商品、運用方法を判断することは難しくなります。当然、リスクの判断も曖昧な部分が残ってしまうことになります。これは資産運用に関して大きなデメリットといえるでしょう。

 

ファンドラップは手数料が高い

ファンドラップは、新たな商品の入れ替えをするたびに販売手数料がかかることはありません。

しかしその代わりに、毎年決まった料率の手数料が発生します。仮に年に1回しか入れ替えをしなくても、10回入れ替えをしたとしても、料率が変わることはありませんが、運用管理を任せるということだけで年間1~2%程度の手数料がかかることは理解しておかないといけません。

そしてファンドラップは、これ以外に投資先の信託報酬の手数料も発生します。つまり二重の手数料を支払わなくてはいけないということです。

手数料が高いということは、その中で利益を出すためにある程度、ハイリターンの投資先を選ばざるを得なくなります。そうなれば当然、リスクも高くなるため、運用方針を自分で決められるとはいえ、その選択範囲は必ずしも広いとは言えないという点は、ファンドラップのデメリットであるといえるでしょう。

 

損失が出ても手数料は発生する

ファンドラップのもう一つの大きなデメリットが、利益が出た場合はもちろん、損失が出た場合であっても手数料がかかってしまうことです。

つまり実際の損失に手数料分の額が加わり、トータルではより大きな損失になってしまうということです。

 

投資知識があり、余剰資金でなければファンドラップはおすすめできません

ファンドラップは投資に関する知識がなく、勉強する時間もない人に人気となっていますが、ここまでご覧いただいて実際には、投資に関する知識がない人がこのファンドラップを始めることは、非常にリスクが大きいということがご理解いただけたのではないでしょうか。

ファンドラップは、生活とは別の余剰資金があり、商品を選択できる投資知識を持ち、なおかつ自分で運用管理をする時間がない人にとっては、一定のメリットがあります。

しかし、そうでない人にとっては、リスクのほうが多いというのも現実です。もしファンドラップに興味を持っているという場合、ご自身の状況をしっかりと見極めた上で利用されることをおすすめします。

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