2019.09.01
投資信託を活用しよう
なんとなく、分かっているようで分かっていない投資信託の仕組み!
なんとなく、分かっているようで分かっていない投資信託の仕組み!
(概要)投資信託に対するイメージは「難しい」「資金がないと無理」「損をしそうで怖い」といったイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、投資信託は個人で株式投資を行うのではなく、専門家が運用します。投資信託の仕組みを知ることで、リスクに対するイメージを変えることができます。
投資信託のイメージは「難しそう」「資金がない」「損をするかも」
投資信託の経験がない方を対象に「投資信託をしない理由は何ですか?」と、アンケートをとると多くの場合、1番多い答えが「難しそうだから」というもので、次に「まとまった資金がない」、また「損をするかもしれないから怖い」という答えが続きます。
「難しそう」「資金がない」「損をするかもしれない」、この3つで6割近くになります。
ところが、経験がある方を対象に「投資信託を始めて感じたこと」についてアンケートをとると、「それほど難しくはなかった」「少額から始めることができた」「リスクの捉え方が変わった」という回答が多く見られます。
投資信託を簡単に説明すると、多くの人が投資したお金を一つにまとめて、ファンドマネジャーと呼ばれる専門家が国内・海外の株や債券などへを投資・運用することで得た成果を、投資した人に分配する仕組み、そうした仕組みを持った金融商品です。
もう少し具体的に見てみましょう。
投資信託の仕組み
「投資」というと多くの方がイメージするのは株でしょう。デイトレーダーと呼ばれ、大金を稼ぐ人が話題になることもありますね。
彼らがしていることは株式への「投資」です。投資信託も同じく「投資」ですが、大きな違いは、彼らは個人投資家であり、一人で自分のお金を株に投資しているのに対し、投資信託は多くの人が出資したお金を一つにまとめて運用する点です。
単純な数字で言えば、デイトレーダーが100万円の株を買う時は、一人で100万円を投資しますが、投資信託の場合は100人の人が1人1万円ずつ投資しているということです。そのため、投資信託は「まとまった資金」がなくとも始めることができます。
また、デイトレーダーは株取引ができる時間、東証1部では午前9:00~11:30、午後12:30~15:00の間、株の値動きや株価チャートを注視し、株の売買を行います。そして、自分の判断にもとづいて売買を決定します。
しかし、投資信託はこの点も大きく違います。投資信託に投資したあなたの資金は、お金の運用のプロフェッショナルであるファンドマネジャーが行います。あなたが投資したお金は、あなたが運用するのではなく、ファンドマネジャーに「信託」されているのです。言いかえれば、「難しそう」なところはファンドマネジャーがやってくれます。
また株式投資においても、「リスクの分散」ということが言われます。つまり、1つの株に資金を集中するのはリスクが大きいので、さまざまな株を購入することでリスクを分散させています。
この点、投資信託は株や債券などへの分散投資が基本となっています。つまり、そもそもリスクが分散されているのです。
はじめにご紹介したアンケートにあったように、投資信託の経験がない方が「損をするかもしれないから怖い」と考えるのは、つまりリスクが怖い、ということですが、投資信託を始められた方が「リスクの捉え方が変わった」と答える理由は、「リスク=怖い」から「リスク→リスクの分散」へと、リスクの捉え方が変わったと考えることができます。
投資信託の基準価額と分配金
株式の単位は1株です。この1株の値動きによって利益が出たり損失が出たりしますが、株価に相当するものを投資信託では「基準価額」と言います。
投資信託の単位は1口です。そして、株式の最低単位数のように、最低買付金額や最低申込単位が販売会社によって決められています。たとえば「××ファンド、1口1円、最低買付金額10,000円」というように募集が行われます。この場合「××ファンド」のスタート時の基準価額は10,000円ということになります。
さて「××ファンド」をAさんが4万口、Bさんが6万口、購入したとします。すると「××ファンド」に集まったお金、つまり「信託財産」は10万円ということになります。
購入したのがAさんとBさんの二人だけとしましょう。そして、購入後、ファンドマネジャーの運用によって10万円が12万円なったとします。すると、「××ファンド」の基準価額は12万円÷10万口=1.2円。基準価額は1万口あたりで公表され「12,000円」ということになります。この段階でAさん、Bさんとも含み益を得た、資産が増えた、ということになります。
また、投資信託には「分配金」というものがあります。ファンドマネジャーの運用によって得た収益を、投資家にその保有口数に応じて分配するものです。分配金の支払い方針は投資信託によってさまざま、また分配の頻度も毎月、あるいは年1回とさまざまです。
以上、投資信託の基本的な仕組みを見てきましたが、投資信託は長期的な展望に立って資産形成を図る上で有力な仕組みと言えるのです。