2019.09.02
投資信託を活用しよう
デメリットを踏まえて、賢く投資信託を活用しよう!
デメリットを踏まえて、賢く投資信託を活用しよう!
(概要)投資信託は、賢く活用することで資産形成を図ることができる仕組みです。メリットとして挙げられるのは、リスクが分散されていることです。デメリットは元本の保証がないこと、運用を担うファンドマネジャーや、株や債券の売買、資金の保管を行う信託銀行に手数料が発生することなどです。
投資信託の仕組みを賢く活用する
「投資信託」という言葉を2つに割ると「投資」と「信託」になります。「投資」とは、お金が増えることを期待して金融商品に資金を投じることです。
投資の対象となる金融商品にはさまざまなものがありますが、たとえば株もその一つです。
株を購入し、その株価が上昇すれば、購入時の株価との差額が利益になり、そのぶん資産が増えることになります。しかし、株価は常に上昇するものではありません。変動します。そのため、株価が下降すればそのぶん資産が減ることになります。
つまり、元本の保証がない、言いかえれば、元本割れするリスクがあるということです。
投資についてはよく、「元本の保証がない」ことがデメリットとして挙げられます。しかし、投資はもともとそうした仕組みをもっているものです。リスクとリターンがあるのが投資です。
投資信託もその点では株式投資と同じです。大切なのは投資の仕組みをよく知って、リスクを抑えながら仕組みを賢く活用することです。
ファンドマネジャーがリスクを分散し運用を行う
リスクを抑える最も有効な方法は、リスクを分散させることです。株式の場合で言えば、Aという株に資金の全部を投資するのではなく、A、B、C、Dに資金を分散して投資すれば、万一、A株が急激に下がっても損失はA株についてだけ負うことになり、A株に全資金を賭けすべて失くすという事態は避けることができます。
問題はどのように分散するかということになります。ただこれについては、個々の株について、たとえばその会社の業績やその会社をふくむ業界の動向はもちろん、広く経済、それも国内ばかりではなく海外の動きを見据えた判断が求められます。これは、そうたやすくできるものではありません。
「投資信託」のメリットは、そもそもリスクが分散されている金融商品であることです。
投資信託は、複数の株や債券などへの分散投資が基本になっています。そのため、すでにリスクの分散が図られているのですが、その運用はファンドマネジャーと呼ばれる専門家が行います。ここに「信託」の意味があります。
たとえば現在、経済成長率が高いベトナムは投資先として有望視されていますが、一般の方がベトナムの経済動向を判断するのは難しいでしょう。しかし、投資信託の場合、金融のプロであるファンドマネジャーが情報の収集・分析を行い、リスクの分散を図った上で資金を運用します。「信託」することで、海外の株への投資による資産形成も可能になるわけです。
また、投資信託にはさまざまな銘柄があり、それぞれに特徴を持っています。それを組み合わせることでさらにリスクを分散し、資産を形成していくことができます。それが投資信託の大きなメリットです。
投資信託のデメリットとは
投資信託は、投資信託を「販売会社(証券会社、銀行、郵便局)」から購入する人、つまり「投資家」と、投資信託の運用を指図する「運用会社(ファンドマネジャー)」、そして「運用会社(ファンドマネジャー)」の指図を受け、株や債券の売買、資金の保管を受け持つ「信託銀行」によって構成されます。
そこで、それぞれに手数料が発生します。投資信託のデメリットとして挙げられるのは、この手数料でしょう。
(1)購入手数料
証券会社、銀行など販売会社に払う手数料です。投資信託の種類や販売会社によって異なりますが、購入金額の○%というかたちで支払います。
一般的には、購入金額の1~3%(+消費税)です。最近ではネット証券を中心に、購入手数料がない投資信託もあります(「ノーロード投資信託」と言います)。
(2)信託報酬
投資信託の保有期間中にかかるもので、投資信託の運用にかかる手数料です。投資信託の販売会社、運用会社、信託銀行の3社にそれぞれ分割して支払われます。一般的に、年0.5~2%(+消費税)です。
(3)信託財産留保額
投資信託の売却時にかかるもので、「基準価額に対して○%」といったかたちで解約代金から差し引かれます。一般的には0.3%程度です(差し引かれない投資信託もあります)。
このうち気をつけたいのは「(2)信託報酬」です。信託報酬は投資信託(ファンド)の保有期間中、毎日かかります。信託報酬2%であれば、1日0.0055%の信託報酬が毎日、純資産(投資信託全体の財産)から天引きされます。
信託報酬は、アクティブファンドと呼ばれる利益を追求するタイプはそのパーセンテージが高くなりますが、日経平均株価・TOPIXなどの株価指標と同じような動きをするように作られたインデックスファンドの場合、パーセンテージが低く設定されています。
こうした点も含め、投資信託についてよく知り、賢く運用することが資産形成にとって最も大切なことです。