資産運用白書Article

2019.09.03

投資信託を活用しよう

もしも金融機関が破綻したら投資信託はどうなるの?

もしも金融機関が破綻したら投資信託はどうなるの?

(概要)金融機関が破綻した場合、資産形成のために託したお金すべてを失くすことになるのでしょうか?

 

金融機関が破綻したら

金融機関と聞いて多くの人がまず思い浮かべるのは、銀行でしょう。そして、銀行業務の中でもまっさきに思い浮かべるのは、個人や企業のお金を預かること、預かった資金を貸し出すこと、また、電気・ガス・水道料金など公共料金の支払いやクレジットカードなどの支払い、ということでしょう。

銀行は社会のインフラであり社会的な役割を担っていますが、その銀行が破綻したらどうなるでしょう。

銀行が破綻・倒産した場合、私たちが銀行に預けている預金がどうなるかといえば、一定の範囲で保護されます。つまり「ペイオフ」です。

ペイオフは、破綻した銀行に口座を持つ預金者一人あたり元本1000万円までと、その利息等の払戻しを保証する制度です。

しかし、保証されるのは「預金者一人あたり元本1000万円までとその利息等」までですから、1000万円以上の預金をもっている人が「これで安心」とならないのも事実です。

 

投資信託の場合はどうなる?

では、投資信託の場合はどうでしょう。

投資信託は、投資家と金融市場の間に、投資信託の販売会社、運用会社(ファンドマネジャー)、そして、投資の実行と資産の保管を担当する信託銀行が存在します。販売・運用・資産の保管を各機関がそれぞれ別々に担っています。

(1)販売会社が破綻したら?

販売会社(証券会社、銀行、郵便局)の役割は、投資家に投資信託を販売することです。

「投資家」というと資産家のイメージを持つ方も多いかと思いますが、投資信託の販売会社から投資信託を購入された方はみなさん「投資家」です。

投資家のみなさんから集まったお金は一つにまとめられ、「信託財産」として信託銀行に預けられ保管・管理されます。販売会社がお金を持つことはありませんから、販売会社が破綻したとしても、投資家がその影響を受けることはありません。

(2)運用会社が破綻したら?

運用会社(ファンドマネジャー)の役割は、投資家から集めたお金をどのように運用するかを考え、その実行を信託銀行に指示(運用指図)することです。やはり、お金を持つことはありませんから、運用会社が破綻しても直接的にその影響を受けることはありません。

ただし、運用会社が破綻した際は別の運用会社に運用が引き継がれるか、繰上償還されることになります。

繰上償還とは、あらかじめ決まっていた信託期間が終了する前に、投資信託の運用が終了することを言います。この場合、運用の終了にともない信託財産を清算して、投資家の投資口数に応じてそのお金を返還することになります。

(3)信託銀行が破綻したら?

信託銀行の役割は、運用会社の指示に従って株や債券の売買を行うこと、そして信託財産を保管・管理することです。

しかし信託銀行は、信託財産を信託銀行自体が持つ財産と分けて管理しています。これを分別管理と言い、法律で義務づけられています。それゆえ、預かったお金が破綻の影響を受けることはありません。

信託銀行が破綻したとしても、投資信託は破綻時の基準価額で解約されるか、あるいは別の信託銀行に信託財産が移されれば、投資家はそのまま投資信託を保有することができます。

ただ「破綻時の基準価額で解約」ということは、償還時に元本を割っている場合もあるということです。運用会社の破綻時と同じく、元本保証ということではありません。

 

資産を形成するということ

日本銀行調査統計局の調査による「家計の金融資産構成」を見ると、日本とアメリカの金融資産の構成の違いがよく分かります。

日本が現金・預金52.5%であるのに対し、アメリカは13.1%。また「債券証券・投資信託・株式等」を見ると、日本は16.2%であるのに対しアメリカは53.9%。大きな違いです。

こうした違いが生れる背景には、歴史や文化、社会的な条件などさまざまな要因があるでしょう。

その中でも大きなものに「ライフプラン(人生の設計)」と「資産形成」がごく自然に結びついていることを挙げることができます。「○歳になったら、これこれのことをしたい。そのために投資によって資産をつくる」という考え方です。

もちろん、日本人がアメリカ人のように考えなければならない、ということはありませんが、長く続く低金利、年金の危うさなどを考えれば、自分や家族の人生のために投資によって資産形成を図ることは十分検討に値することだと言えるでしょう。

これまでご説明したように、投資信託は投資家の資産を守る仕組みをもっています。「資産を守ること」と「資産をつくること」、この二つをきちんと見ながら資産運用を考えるべき時代になっています。そして、投資信託はそのための大きな魅力をもった金融商品と言えるでしょう。

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