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2019.09.11

投資信託を活用しよう

投資信託は長期投資が本当に有効なのか?

投資信託は長期投資が本当に有効なのか?

(概要)投資信託の長期投資には「複利メリット」「リスク軽減メリット」「コスト軽減メリット」と、3つのメリットが挙げられます。そのメリットを検証してみましょう。

 

複利と単利について

投資信託の長期投資によるメリットとしてよく挙げられるのが「複利メリット」です。銀行にお金を預けた場合で考えてみましょう。100万円を年利10%という条件で、単利で預けた場合と複利で預けた場合を比べてみます。

単利の場合、1年目は100万円に年利10%で、100万円が110万円になります。翌年もそのまま預けておくと、やはり100万円に年利10%で110万円となり、2年間で100万円が120万円になったことになります。

その翌年も預けておくと同じく年利10%で利息10万円がつき、3年間では100万円が130万円になる計算とになります。

複利の場合を見てみましょう。1年目は同じく元本100万円に年利10%で、100万円が110万円になります。しかし、その翌年は「元本100万円+利息10万円」に対して年利10%ですから、110万円が121万円になります。そして、3年目はその121万円に年利10%で、121万が133万円になります。

3年間の違いを見れば、単利の場合100万円が130万円になり、複利の場合100万が133万円になります。この3万円の違いが、複利メリットです。

そして、この複利メリットは期間が長いほど大きくなり、たとえば同じ条件で10年後を比べてみると、単利の場合は100万円が200万円となるのに対し、複利の場合は259万円という計算になります(計算は1000円以下四捨五入)。

 

長期投資によるメリット①複利メリット

投資信託で長期投資が良いと言われるのは、分配金を再投資することで複利メリットを受けることが期待できるからです。

分配金とは、投資家に対してファンドがその口数に応じて運用収益等を分配するものです。この分配金を受け取り、買い物などに消費すれば単利と同じことになりますが、同じファンドに分配金を再投資することで投資元本が増えて行けば、さらに分配金が増えることが期待できるわけです。そして、期間が長いほうがメリットも大きくなります。

ただし、投資信託の分配金は銀行預金の利息とは違います。預金の年利のように一定ではなく、運用状況に応じて支払われる額が異なります。減額されることもあり、場合によっては分配金が支払われないこともあります。

単に長期投資をすれば複利メリットが得られるということではなく、そうしたメリットが期待できるファンドの選択が重要になります。

 

長期投資によるメリット②リスク軽減メリット

投資信託の長期保有のメリットとして重要なものにリスク軽減メリットがあります。

投資信託にあるリスクの中でも一番気になるのは価格変動、つまり、値動きでしょう。そして、この値動きの幅が大きいほどリスクが大きいということになります。

もちろん、値動きの幅の大きさはハイリターンを期待させるものでもありますが、資産の安定した運用を目的とする場合、大きな値動きは好ましいものではありません。

この値動きの幅は、長期に保有し続けると幅が縮まるということが知られています。つまり、安定した運用が期待できる、あるいは、リスク管理がしやすいことになります。

 

長期投資によるメリット③コスト軽減メリット

たとえば投資信託にかかるコストには、ファンドの購入手数料があります。

手数料が3%だとしましょう。すると、運用期間1年とすれば、運用によって得た利益に対しマイナスの3%の影響があることになりますが、運用期間を3年とすれば年平均では1%になるということです。

日本の投資信託の購入手数料は、アメリカに比べ5倍以上という批判もあります。しかし、これには日本とアメリカの市場規模の違いも大きく影響しています。

また、日本の場合、投資信託にかかるコストについてあまり意識しない方が多いということも言えるかもしれません。長期投資によるコスト軽減は、もっと意識されてしかるべきものです。

 

長期的な視野で投資信託を行うために

投資信託における長期投資のメリットとして「①複利メリット」、「②リスク軽減メリット」、「③コスト軽減メリット」をご紹介しました。しかしこれは「長期投資であればこれだけのメリットがあるから安心」というものではありません。

投資の目的によっても短期投資にするか、長期投資にするかが分かれるでしょう。ただ、長期投資が資産運用を行う上で大きなメリットを持っていることは事実ですので、しっかりと理解しておくことが重要です。やはり投資を始める目的を明確にするということが大切なポイントになります。

また、投資信託にリバランス(投資比率の再配分)があるように、ご自身が有する「現金:預金:投資」のリバランスも必要でしょう。

そのために、投資信託を一部増額もしくは換金するということも考えられますが、その際にも長期投資によるメリットが期待できるものは残し、そうでないものは換金するなど、資産運用を行う上で「長期投資」を軸におくことは重要な投資判断の材料になります。

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