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2019.09.12

投資信託を活用しよう

ファンドラップと投資信託、ラップ口座。何が違うの?

ファンドラップと投資信託、ラップ口座。何が違うの?

(概要)資産運用を金融機関に一任するラップ口座。ラップ口座の一種である「ファンドラップ」とはどのようなものでしょう?今回は、ラップ口座とファンドラップについてご説明します。

 

資産運用に関するサービスを包括しているラップ口座

ラップ口座とは、自分の資産運用についてどんな希望を持っているか、どんな目的のために資産を運用したいと考えているか、どの程度までリスクを許容できるかといったことを金融機関(証券会社や銀行)の担当者に相談し、そのうえで実際の運用・管理を一任するというものです。

ラップ口座の「ラップ(wrap)」は「包む」ということで、資産運用に関するさまざまなサービスを包括して提供するという意味合いでつけられた名前です。

ラップ口座は投資家の支持を受け急成長しましたが、背景には、低金利が続き貯蓄よりも投資を考える人が増えてきたことが挙げられます。

また、投資によって資産を増やしたいと考えても「資産運用の知識がない」「リスクが心配」、あるいは「資産運用にかける時間がない」「なんだか面倒な気がする」といったことが理由で、投資を始められない人のニーズに合ったという点も急成長の要因でしょう。

アメリカに比べ日本は、「投資」について慎重な国という指摘があります。事実、日本の家庭における金融資産の内訳を見ると現金・預金が50%以上を占め、株式や投資信託など資産運用に回すお金は16%程度。これに対しアメリカでは現金・預金は13%程度、株式、投資信託など資産運用に回すお金は50%以上になっています。

しかし、資産を増やしたいという点では、アメリカ人も日本人も変わりはないわけですから、自分の資産運用を資産運用のプロに任せることができ、前述した「資産運用の知識がない」「資産運用にかける時間がない」などの懸念を解消することができる点において、ラップ口座は初めて投資をするという方にとって有意義なサービスと言えるでしょう。

 

300万円~500万円から始められるファンドラップ

ラップ口座は資産運用を考える方にとって魅力のあるサービスとして受け入れられていますが、預入額が最低で数千万円、運用商品も多岐にわたるのが特徴です。

それに対し「ファンドラップ」は、ラップ口座の一種ですが、300万円~500万円という金額から投資することができ、運用商品を「投資信託(ファンド)」に限定しています。この点がラップ口座と違う点です。

ラップ口座と同じく、資産運用についてどんな希望を持っているか、どんな目的のために資産を運用したいと考えているか、また、リスクの許容範囲などを金融機関(証券会社や銀行)の担当者に相談し、そのうえで資産の運用・管理を一任することになります。

大きなリターンを求めるのであれば、外国の株や債券を中心にした投資信託、大きなリターンより安定的な運用を求めるのであれば国内の株や債券を中心にした投資信託が提示されることになるでしょう。

その選択はあなた自身が行うわけですが、投資一任契約を締結した後の運用・管理はすべて任せるという形になります。

ただ、ファンドラップは運用・管理を一任するわけですから、その分の運用手数料が発生します。

投資信託には、購入手数料のほか保有期間中の信託報酬などがかかりますが、ファンドラップにはそれにプラスして運用管理手数料が必要となります。この点については十分に検討すべきでしょう。

 

ファンドラップに対する評価

ファンドラップについてはさまざまな評価があります。上でお話しした手数料もその一つで、これは資産を運用する会社の収益目的と捉えた場合、マイナスの評価になります。

また、いったん運用を任せたあと、その投資先について投資家が「こう変えたらどうか」と考えても、その点はすべて契約した会社の裁量に一任される点も評価が分かれるところです。投資家の考え通りに変更することはできません。

一方、これから投資を始めたいと思い、しかし、投資先をどう選択すればいいか分からない、投資に費やす時間がないという場合は、そうしたことを投資の専門家に任せられるわけですから「助かる」ということになります。

また現状では、ファンドラップの投資先は国内の株や債券、海外の株や債券にバランス良く投資する「バランス型」の商品が多く、この点もリスクが分散されているぶん安心という評価があり、反対にハイリターンが望めないという評価もあります。

投資信託は、実際にやってみないと理解が深まらないというところがありますから、投資信託とはどういうものか、また投資におけるリスクとリターンはどのようなものかということを勉強するという観点から、ファンドラップを捉えるのも一つの方法でしょう。

ただしファンドラップは投資ですから元本の保証はありませんし、リターンがなくとも運用管理手数料は支払わなければなりません。

このコラムで何度か申し上げていますが、投資は何のために投資するのかという点が一番大切です。ファンドラップについてもその点を十分に考慮し判断する必要があるでしょう。

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