資産運用白書Article

2019.11.01

資産運用について考える

資産運用は、シニア世代の生活設計の大切な軸となる!

金融資産を増やす資産運用の方法

(概要)今回は定年退職後の生活設計において、資産運用の重要性から退職金運用のポイントまでをご説明します。

 

投資が求められる背景

シニアとは何歳からのことを示す言葉なのか。例えば世界保健機関(WHO)では65歳以上を高齢者と呼んでいますが、高年齢者雇用安定法では55歳以上が高年齢者となっています。

そもそもシニアという言葉自体が国や企業などで使われる公式なものではないため、明確な定義はありませんが、ここでは定年年齢である60~65歳以上をシニアとしてお話しを進めていきます。

なぜ定年退職後の生活設計において、資産運用が重要なのか。それは日本が高度経済成長期を終え、貯蓄だけをしていればお金が増える時代ではなくなってしまったからです。90年代前半に崩壊したバブル経済。その後、戦後初のマイナス成長、大手金融機関の破たんなどを経て、日本銀行がゼロ金利政策を敢行し、2018年現在でも基準貸付利率は0.30%と超低金利状態が続いています。

資産運用が重要な理由はほかにもあります。それは、早いスピードで進む少子高齢化です。国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の将来推計人口(平成29年度)」によると、65歳以上の老年人口の割合は2015年の時点で26.6%ですが、2036年には33.3%。そして2065年には38.4%と、実に2.6人に1人が老年人口になると推測されています。

これだけ少子高齢化が進めば、現在のような年金制度が維持できる保証はありません。実際、金融広報調査委員会が発表した「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)平成28年調査結果」によると、老後の生活が不安であると回答した世帯は83.4%となっています。

その理由の第一位は「年金や保険が十分ではないから」が73.4%、そして2位が「十分な金融資産がないから」が69.9%です。こうした社会状況や将来への不安から、今ある資産を老後に備え、少しでも増やすための方法の1つとして、資産運用が重要視されるようになっているのです。

定年後に必要な資金とはどれくらいなのでしょう。

 

資産を運用する時代へ転換

総務省が毎年発表している家計調査報告書によると、高齢夫婦無職世帯の世帯平均支出から年金や雑収入を引いた金額は「-5万4,519円」とマイナスになっています(2017年)。

これを年額にすると65万4,228円。仮に60歳から85歳まで生きるとすると、単純計算で1,635万5,700円が不足するということになります。しかしこれは最低限必要な金額であり、例えば夫婦で海外旅行をする、住宅のリフォーム、修繕をするなどといったことを含めれば、3,000万円以上は欲しいところです。

老後の生活費の不足分は退職金で賄えるので問題ないと思われるかもしれません。

では退職金はどれぐらい受給できるのでしょう。厚生労働省が毎年発表している「就労条件総合調査(平成30年)」の結果を見ると、勤続35年以上の定年退職者の学歴・職種別退職金の平均は次の通りです(2017年)。

大学・大学院卒(管理。事務・技術職) 1,997万円(退職一時金・退職年金制度併用の場合は2,329万円)

高校卒(管理。事務・技術職) 1,724万円(退職一時金・退職年金制度併用の場合は2,198万円)

高校卒(現業職) 1,627万円(退職一時金・退職年金制度併用の場合は1,962万円)

これを見ると、高卒であっても職種によっては2,000万円以上の退職金が支給されます。しかし、例えば退職した時点でまだ住宅ローンが残っていればここから支払うことになります。また勤続30~34年になると受給額は一気に下がり、例えば高校卒(管理・事務・技術職)の場合、一時金と年金併用で1,216万円とほぼ半額です。

老後に必要な資金や退職金受給額を見ると、やはり定年後に最低でも2,000万円は準備しておかないと将来のお金に関する不安は消えなのではないでしょうか。

しかし、超低金利時代の今、一般的な定期預金の金利は1,000万円であってもわずか0.01%ほどです。仮に20年預けたとしても2万円程度しか増えないとなれば、やはり投資を使った積極的な資産運用が必要であることがご理解いただけると思います。

 

退職金運用のポイント

では具体的に退職金をどう運用すればよいのでしょうか。1つめはハイリスクハイリターンの投資は避けることです。退職後は年金が主な収入源で、労働による収入は見込めなくなります。仮に投資で大きな損失を被ってしまうと、それを挽回する術がありません。

2つめのポイントは分散投資をすることです。1つめのポイントでも言及したように、一回、大損をしてしまうと挽回はほぼ不可能なため、リターンは大きくなくとも、リスクが小さい投資をいくつかに分けて行うことが重要です。また一気に退職金のすべてを投資に回すのではなく、生活費や必要資金は別にし、余裕資金で行うこともポイントの1つです。

3つめのポイントは、すべてを人任せにしないことです。資産運用は自分で行う以外にプロに依頼する方法もあります。退職後は時間もできますので、プロに任せる場合であっても、自分でも投資の勉強をし、知識を得ることが、自分にとって有利な投資をする最大のポイントといえます。

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