2019.10.13
ライフプランニング
結婚や出産に子育てを考えたライフプラン作成ポイント
ライフプランの基礎知識
(概要)近年結婚をしない選択をする人が増えていますが、それでも多くの人にとって、結婚は人生の大きなターニングポイントと言えるでしょう。
結婚は、それまでの人生と比べさまざまなことが大きく変わるため、それに合わせてライフプランを考えることが重要です。しかし、逆にライフプランから結婚のタイミングを考えることで、先々どのぐらいのお金がいつ必要になるのかが見えてきます。今回は、女性のライフプラン作成のポイントについてご説明します。
ライフプランから考える結婚のタイミング
大学を卒業して新社会人になることも大きなイベントですが、就職はあくまでも自分一人の人生が変わるにすぎません。
しかし結婚は、新たに家族になる人と暮らし、人によっては出産をしてさらに家族が増えるなど、自分以外の人との関係性に大きな変化が生まれます。そういった意味では、人生の中で、最も大きなイベントであるといってもいいでしょう。
ライフプランを作成するうえで、早婚がいいのか、晩婚がいいのか、これは子供をつくるかどうかによっても大きく変わってきます。子供をつくりたいと思うのであれば早婚のほうが、定年を迎えるまでに子供が独立するなど、老後の資金について負担が軽くなる可能性があります。
ちなみに何歳からが早婚なのかといえば、内閣府が毎年発表している少子化社会対策白書(平成30年版)によると、2016年の女性の平均初婚年齢は29.4歳のため、ここではこれを基準に、それより若ければ早婚、遅ければ晩婚として考えていきます。
例えば25歳で結婚して、27歳で出産をすれば、子供が10歳になった時に37歳です。職種にもよりますが、この年齢であれば再就職してキャリアアップも十分に可能です。
逆に出産はしないという選択をした場合であれば、晩婚であってもそのまま働き続けることができるため、余裕を持ったライフプラン作成が可能になります。
ただし、独身の時に実家住まいか一人暮らしをしているかによって、貯まるお金は大きく変わります。一人暮らしをしていて、できるだけ早くマイホームを購入したいというのであれば、出産はしなくとも、20代で結婚をしたほうがお金も貯めやすくなるでしょう。
結婚は相手があってのことですから、必ずしも自分のライフプラン作成のためだけに結婚年齢を決めるわけにもいきません。しかし出産をするのか、しないのか、借家でいいのか、マイホームを購入したいのかといった具体的な目的を結婚前の段階で決めておけば、何歳で結婚すればよいのかが見えてきて、その後のライフプランも作成しやすくなります。
出産にかかる費用
結婚してからかかるお金で大きいのは、マイホーム購入資金と子供の教育資金です。ライフプランを作成するには、この2つを何年後にするのかを決めたうえで、どのぐらいの資金が必要なのかを知っておく必要があります。
女性のライフプラン作成のポイントとして「出産」、そして子供にかかる最初の教育資金として「保育園の費用」が挙げられます。
公益社団法人国民健康保険中央会の調査によると、平成28年度の正常分娩での平均的な出産費用は50万5,759円(病院・診療所・助産所の合計)です。
国保(国民健康保険)に加入している場合は、出産後に42万円(産科医療補償制度加入の病院で分娩した場合)が支給されるため、実際の負担金額は約8万6,000円です。
ただし、これは出産自体にかかる費用であり、妊娠期間中の診察費用は含まれていません。そして妊娠は病気ではないため、健康保険の適用がなく実費での支払いです。そのため、妊婦検診にかかる費用は医療機関によって異なります。
一般的には初診で5,000~8,000円、2回目以降は5,000円程度かかり、検診回数は10~15回程度ですので、約5~8万円が加算されます。
保育園にかかる費用
続いて保育園にかかる費用です。出産後も働くつもりであれば、子供は保育園に預けることになります。保育園でかかる費用は、その保育園が認可・無認可によって異なります。
認可保育園の保育料は、各自治体によって設定されています。基本的には世帯収入に応じて決まります。
認可外保育園の保育料は、園によって異なります。基本的には認可保育園よりも割高になりますが、認可保育園と同様に世帯収入に応じて保育料が算定される地域もあります。また認可外保育園に預けている保護者に、保育料の一部を補助する制度がある自治体もあります。
以前ほどではありませんが、女性は結婚により仕事を制限されたり、出産や子育てで、フルタイムで働けない時期が続いたりすることがあるため、ライフプランを作成する際には、結婚する男性としっかりと話し合うことが重要です。
何歳で出産をするのか、子育てにかかる資金はどうするのかといったことを決めておけば、いざという時にお金が足りなくなってしまうことも起こりづらくなるでしょう。