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2019.10.13

ライフプランニング

退職金ありと退職金なしのライフプランの立て方

ライフプランの基礎知識

(概要)人生における3大資金は、「子供の教育資金」「住宅購入資金」「老後の生活資金」と言われています。

この中でも、子供の教育資金や住宅購入資金は、基本的にはまだ働いて収入がある時にかかる資金ですが、老後の生活資金に関しては、収入がなくなってから必要な資金です。60代、70代になっても収入がある人もいますが、年金や退職金に頼るケースが多いのではないでしょうか?

今回は退職金がある場合とない場合のライフプランの立て方について考えていきます。

 

退職金を支給している会社の割合は?

そもそも退職金とは、退職をする際に会社から支給されるもので、その額や支払い方法は会社によって異なります。基本的には勤続年数によってその額は変わってきますが、退職する時点での役職によって金額が変わる場合もあります。

なぜ退職金は会社によって金額や支払い方法が異なるのか、それは法律で「必ず支払わなければならない」と決まっているものではないからです。

では実際に、退職金が支払われない会社はどのぐらいあるのでしょう?
厚生労働省が毎年発表している「就労条件総合調査(平成30年度版)」によると、退職金制度がある会社は次の通りです(人数は従業員数)。

1,000人以上:92.3%
300~999人:91.8%
100~299人:84.9%
30~99人:77.6%
全体:80.5%

このように、全体では5社に4社は退職金制度がありますが、従業員数が100人未満の会社ではそれを下回る数字となっています。

従業員数が少なくなるにつれ、退職金制度がある会社が少なくなっているということは、この調査では結果が出ていないものの、30名以下の会社ではさらに少なくなると予測できます。

年金の支給開始年齢が上がっている今、退職金がなくても老後の生活に問題はないのでしょうか。次項から退職金がある場合とない場合で、それぞれライフプランをどう立てていけばよいのかを考えていきます。

 

退職金がある場合のライフプランの立て方

まず、退職金がある場合のライフプランの立て方について見ていきます。前述した調査によると、勤続35年以上の定年退職者の学歴・職種別退職金の平均は次の通りです。

・大学・大学院卒(管理職・事務職・技術職)
2,173万円(退職一時金・退職年金制度併用の場合は2,493万円)
・高校卒(管理職・事務職・技術職)
1,954万円(退職一時金・退職年金制度併用の場合は2,474万円)
・高校卒(現業職)
1,629万円(退職一時金・退職年金制度併用の場合は1,962万円)

このように、高校卒で約1,600万円~2,500万円。大学・大学院卒で約2,200万円~2,500万円となります。

これに年金が加われば、老後の生活は心配ないと思われるかもしれません。しかし住宅ローンの支払いが終わっていなければ、ここから支払う必要があります。また購入時期にもよりますが、リフォームの必要も出てくるでしょう。さらに子供が住宅を購入する際に援助をしたり、自分たちも海外旅行へ行ったりとなれば、「十分な金額ではない」ということになります。

しかし退職金がない場合に比べ、余裕を持った老後の生活ができることも事実ではあります。具体的には次の順序でライフプランを作成していきます。

・仕事を退職し、時間的な余裕ができるので、そこでやりたいことを考える
・自分がやりたいことにかかる金額はどの程度のものかを算出する
・預貯金と退職金、そして今後受給できる年金の合計額から、住宅ローンやリフォームなど多額の費用がかかるものを引く
・上記で残った金額から、自分がやりたいことにかかる金額を引く
・最後に、残った金額で毎月の予算を組み立てていく

ライフプランの作成は、基本的に人生設計を前提として行います。なお、住宅ローンやリフォームがすでに終了している場合は、退職金を投資に使ってみるのもよいでしょう。

 

退職金がない場合のライフプランの立て方

退職金がある場合、高卒であっても約1,600万円~2,500万円を老後の生活資金に回すことができるため、ある程度の余裕が持てます。しかし退職金がない場合は、これまでの預貯金と年金だけでライフプランを立てなくてはなりません。

退職金があるかないかに関しては、その会社に入った時点での雇用契約書や就業規則を確認すればすぐにわかります。

自分の勤め先に退職金制度がない場合は、できるだけ早い段階から定年退職後のライフプランを作成する必要があります。もし可能であれば、退職金制度のある会社に転職するのも1つの方法です。

理想は、退職するまでに退職金と同等の貯蓄をすることですが、住宅の購入や子供の教育資金など多額の費用がかかるものも多く、簡単ではありません。そこで、投資も含めた老後のための資金計画をしっかりと考え、そのうえでライフプランを作成していきます。

貯金にしろ、投資にしろ、退職金と同等の資金を貯めることは容易ではありません。そのため退職金がない場合のライフプラン作成のポイントは、とにかくできるだけ早い段階から行うことです。できれば、30代のうちから老後の生活も含めたライフプランの作成をおすすめします。

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