2019.11.08
ライフプランニング
30代ライフプラン・マネープランのポイントは?
年代別ライフプラン
(概要)20代は学生であったり、社会人になって間もないということもあり、多くの人にとって将来のことを現実問題として考えることが難しい時期でしょう。
しかし30代は仕事にも慣れてきたうえ、結婚、子供の誕生、住宅の購入など人生の中でも大きなイベントを迎える人が多くなります。そのため、自分だけではなく家族としてのライフプランを考える年齢といえます。そこで今回は30代のライフプラン、マネープランを設計する際のポイントについてお話しします。
30代は将来を見据えた貯金計画
大学を卒業して就職し仕事に励んだ場合、30代に入れば多少は給与も上がり、貯蓄額も増えていくようになります。もちろん業種にもよりますが、以前のように給与が右肩上がりで上がっていく時代ではないため、30代になっても貯蓄は難しいといったケースも少なくはありません。
しかし30代は、多くの人が将来を見据えた貯金計画を立て始める時期だといえるでしょう。30代で将来を見据えた貯蓄をしていくうえで、大きなポイントとなるのが結婚をしているのか、独身なのかということです。
内閣府が毎年発表している「少子化社会対策白書(平成29年版)」によると、2015年時点での年齢別(5歳階級)未婚率を見ると、男性の場合は30~34歳で47.1%、35~39歳で35.0%、女性の場合は30~34歳が34.6%、35~39歳が23.9%となっています。この結果から、男性であれば約5~7割、女性であれば約7~8割の人は、結婚をしていることになります。
独身であれば20代の頃と同様のペースで、貯蓄をしていくことは難しくないでしょう。むしろ、多少は毎月の貯蓄額を増やしていくことも可能です。
また結婚をした場合でも、共働きであれば貯蓄額をさらに増やすことは可能です。ただし子供が生まれれば、子育てや教育費、場合によっては住宅を購入するようになるため、それまで通りの額を貯蓄することは難しくなります。
30代に入った時点で自分の現状を踏まえ、結婚をするにしても独身でいるとしても、それを想定したうえで貯金計画を立てることが、将来的にお金で困らないようにするためのポイントとなります。
住宅ローンや結婚という選択が及ぼす影響
前項で結婚しているか、独身かということ以上に、子供がいるかいないかによって貯蓄計画は大きく変わるとしました。ここではさらに、教育費や住宅ローンについて深く掘り下げていきます。
子供が生まれた後貯蓄が難しくなる理由は大きく2つあります。
1つは、子育てや教育費でお金がかかるようになること。そしてもう1つは、子供の成長に合わせて住宅を購入し、それに伴い住宅ローンの支払いが発生することです。
前出の「少子化社会対策白書(平成29年版)」によると、結婚している場合の女性の初出産年齢平均は、30.7歳(2015年)です。
ちなみに初婚の年齢平均が男性31.1歳、女性29.4歳ですから、平均だけでみると結婚してから1年以内には初出産を迎えていることになります。つまり男性も30代前半で子供を持ち、父親になるということですから、30代後半には子供が小学校に入学し、40代にかけて教育費も増えていくということです。
また、住宅ローンは一般的に最長で35年のため、40代前半までに購入しないとローンの審査が通らなくなる場合があります。
つまり結婚という選択をし、子供が生まれた場合、30代後半から40代前半にかけて教育費が増えていき、さらに住宅ローンが加わるということになります。これは結婚という選択をしない場合に比べ、その後の将来設計に非常に大きな影響が出るということです。
結婚、子育てを前提としたライフプラン・マネープランを考えることが重要
ここまでの説明を見ると、結婚を選択することで、「老後のライフプランが非常に厳しいものになる」と思う人もいるでしょう。
しかし共働きが珍しくなくなった今、結婚を選択することで、貯蓄も二人でできるようになり、独身に比べ倍以上の貯蓄ができる可能性もあります。人それぞれに考え方があり、また、現代は多様な価値観が生まれているため、結婚を選択したとしても独身を貫いたとしても、どちらが正解ということはありません。
結婚して子供が生まれると、教育費や住宅ローンでお金が貯まりにくいといいますが、独身であっても両親の介護でお金がかかり、貯蓄が難しいといったケースもあります。
30代のライフプラン、マネープラン策定で重要なポイントは、結婚や子育て、住宅購入を前提としたうえで考えるということです。
何歳で結婚して何歳で子供が生まれ、何歳で住宅を購入するということを、あらかじめライフプランに組み込んだうえで、それに合わせ、何歳でいくらのお金が必要かというマネープランを策定すれば、仮に30代で結婚をしなかったとしても、その分を貯蓄に回すこともできます。
冒頭でも触れたように、30代は長い人生の中で、さまざまなイベントが起こる時期でもあります。30代からはその後の人生をしっかりと見据え、ライフプラン、マネープランを考えておくことが大切です。この時期から老後のライフプランを具体的に描き、しっかりと備えていきましょう。